親友が ALS(筋萎縮性側索硬化症)で亡くなりました。でもアイス・バケツ・チャレンジは

ALS(筋萎縮性側索硬化症)の寄付を募るアイス・バケツ・チャレンジが
巷でとても流行っていますね。

認知度が少ないこの病気に対して理解を深めるのはとても有意義なこと
だとは思いますが私はイマイチ乗っかれない。

この春に高校の頃からの親友をこのALS(筋萎縮性側索硬化症)で亡くしました。

彼女と出会ったのは高校へ入学してはいった演劇部で。
地方都市の大きな地主の娘の彼女はおっとりして背がすらっとした女の子でした。
お互いの家へ泊まっては夜中までおしゃべり。
大きな大きな彼女の家ではいつもお父さんがゴルフウェアでニコニコ
私達の世話を焼いてくれました。

彼女とはお互い結婚して故郷を離れてもずっと連絡を取り合っていました。

こどもが小さい時は子育ての悩み、成長してからは進学のこと、そして夫の不満やら
愚痴を電話やメールで言い合って憂さ晴らししていました。
子供が大きくなってからは中間地点の東京で待ち合わせてごはん食べたりお茶したり。

後にエリートサラリーマンのご主人がうつ病になってからは子育てとご主人のケア
でとても大変そうでした。

彼女からの連絡が途ぷっつり絶えたのは2009年の春から。
暮れに年賀状を出したら2010年の1月にメールが着ました。

自分はALS(筋萎縮性側索硬化症)という病気に突然なったこと。
この病気は治ることはなくどんどん筋肉が動かなくなり、やがて全て
動かなくなり死んでしまうこと。

誰にもそんな自分の姿を見られたくないこと。
でも音信不通になると桜子が心配するだろうからこのメールをした。
主人には全てが終わってから桜子に連絡してと言ってあるから。
今までありがとう。
これはわたしの運命だから。

そんな趣旨のメールが着ました。

その時に何度かメールのやりとりをして
彼女の意志を尊重してメールを終わりました。

1年が経ち、2011年の東日本大震災。

メールはしないと約束したけど、
この世の中はいつ何が起こってどうなるかなんて分からない!
自分は今生きているけど明日は分からない!

なんだか居ても立ってもいられなくなり、
彼女にメールしました。
私が勝手に送るだけだから返信はいらないからねと。

彼女からすぐに返信が着ました!

桜子にあんなメールしたけど、やはり、人はひとりでは生きられないものだね。
すごく寂しかった。
自分は今リハビリに頑張っていること。
桜子がメールくれて凄く嬉しかった。
あれこれ、いっぱい書いてくれました。

それからまたメールでのやりとりが再開しました。

でも徐々に彼女のメールの文面は短くなっていきました。
だんだん指の筋肉も弱くなっていき上手く漢字の変換も
できなっていきました。

それでも彼女は時々短いメールをくれました。

家族に何もしてあげられないから実家の近くの施設に入る
ことにしたこと。
ご主人が会社を辞めて看病をしてくれてること。
長男が大学院にはいったこと。

彼女に会いに行きたかったけど
発病した頃の彼女のメールで自分は誰にも姿を見られたくないといっていた
ので訪問は遠慮していました。

去年の暮れ頃からまたメールが途絶えました。
年が開けて今度こそ御見舞に以降と思ってご主人に連絡しようと思っていた矢先、
ご主人から電話がありました。

もう長くありません。
妻は言わないけど、きっと桜子さんに会いたいんじゃないかと思います。

翌日の朝新幹線に乗り病院へ行きました。

あんなに澄んだ目の人間は初めてみました。

遠くを見つめているようで、心の中を見ているような透明な瞳でした。
微かな声で話す彼女の言葉はとても聡明で残して行く家族や周りへの愛で溢れていました。

ずっと桜子に会いたかった。
遠くからわざわざお見舞いに来てくれてありがとう。
ごめんね、ありがとう。
これは私の運命だからしょうがないよ。
生きていても体も動かせないし子供たちや主人に何もしてやれないから
早く逝きたい。
生きていても体を動かせないのがとても辛い。
早く逝きたい。
もう死ぬのは怖くない。
次男がやっと今日就職決まって良かった。
安心した。
桜子悲しまないでね。
これはわたしの運命だから。

囁くように話す彼女の頬には涙がずっと落ちていました。
真っ白な彼女の顔は高校生の頃のままだけど
瞳は深い湖のようでした。

そして彼女の願いどおり春に天国へ逝ってしまいました。

この病気の悲しいところは、体の筋肉はどんどん弱くなって動かせなくなるけど
脳や目や耳や意識ははっきりしているので全て自分の状態が分かってしまうところ。
自分の病気の進行具合をはっきり意識せざる負えないのです。
生きながら死んで行くのです。

それは本人にとってとても辛いことです。

アイス・バケツ・チャレンジでこの病気の理解が深まるのは良いこと
なのでしょうが、
彼女のあの人生を諦めて運命を受け入れた透明で深い瞳
と氷水を被る行為にとても違和感があって馴染めない桜子です。

長々とお読みいただきありがとうございました。

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コメント

    • よおたろう
    • 2017年 12月 16日

     心にしみました
       わたしも ALSの 宣告されました
       病気と言うより 。。 もっとひどい 仕打ち かもしれませんね
       毎にい なんで私が、なんか悪い事したのか と
       心も体も ボロボロになりますね。。  それでも死を選択できません
      

       でも世の中には 明るく生きている人もいます。それには
       家族の愛情、友人でしょうか。。
        ”いきながらしんでゆく”ですか そのとおりかも。。

     
                 
       

      • 桜子
      • 2017年 12月 16日

      よおたろう様

      コメントありがとうございます。

      >わたしも ALSの 宣告されました

      ALSを宣告された衝撃を思うと言葉が見つかりません。
      私がどう何をここでよおたろう様に慰めの言葉を並べ
      ても空虚です。
      同じ立場にならなければ本当の気持ちなどわからない
      でしょう。

      彼女に会いに御見舞に行った時は会う直前まで
      悩みました。
      自分の言葉が上っ面だけになるんじゃないかって。
      でも病室で彼女に会った瞬間に言葉を交わす前に
      気持ちが通じたのがわかりました。

      よおたろう様のお気持ちを思うとあの時の親友の
      様子や状態が蘇り心が痛みます。

      私がここで書けるのは少しでもよおたろう様の
      病状とお気持ちが軽くなるようお祈りするだけ
      です。
      そして切にALSの治療が進化するよう願うばか
      りです。

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